上司の上司に相談するのはアリ?直属の上司と角が立たない言い方と注意点
「直属の上司に言っても話が進まない」「この件、上司の上司に相談したほうが早いのでは?」。会社員なら、一度はそう思ったことがあるはずです。
でも同時に、「上司を飛ばしたと思われたらどうしよう」「告げ口だと思われない?」と不安にもなりますよね。この記事では、会社員を25年やってきた私の考えと、角が立たない相談の仕方をまとめます。
この記事の結論
- 上司の上司に相談するのはアリ。むしろ「2つ上の上司」との関係は、普段から作っておくべき
- ただし直属の上司を「飛ばした」形にしない。ここを間違えると、毎日顔を合わせる上司を敵に回す
- いきなり直談判するより、普段から2つ上と接点を作っておくほうが、いざというとき話が通る
上司の上司に相談するのはアリ?
結論から言うと、アリです。私は、会社で一番気に入られるべきなのは直属の上司ではなく「2つ上の上司」だと思っています(理由は社内政治で生き残るコツは「2つ上の上司」に書きました)。
直属の上司も、その上司からは評価される立場です。2つ上の上司が「あいつの話は聞いておこう」と思ってくれていれば、直属の上司もあなたを無下にはできません。
体験談:直属の上司が止めていた案件が、鶴の一声で通った
私が実際に助けられたのは、新しい提案やシステム改善を出したときです。直属の上司(課長クラス)は「前例がない」「他部署との調整が面倒」と、リスクを恐れて足踏みしていました。
ところが、2つ上の上司(部長・役員クラス)が「それ、現場の課題をよく捉えてるから進めてみて」と言った瞬間、直属の上司の態度が180度変わり、その場で即決。あれほど動かなかった話が、ひと言で通りました。
体験談:会社の「背景」が見えるようになった
もうひとつの収穫は、2つ上の上司と話せる関係になったことで、なぜ今この無茶な目標が現場に下りてきているのかという背景が分かるようになったことです。理由が分かれば、不毛な不満を抱えずに、先回りして動けます。
ただし、やり方を間違えると話は別です。
直属の上司から見れば、自分を飛ばして上に話を持っていかれるのは面白くありません。どんなに正しい相談でも、人は感情で動きます。「飛ばされた」と感じた上司は、その後ずっとあなたを警戒するかもしれません。相談していいケース・やめたほうがいいケース
相談していいケース
- 直属の上司に相談したが、話が止まったまま進まない
- 部署をまたぐ話など、直属の上司では決められない内容
- キャリアや異動など、中長期の相談をしたい
- 2つ上の上司から「何かあったら言って」と声をかけられている
やめたほうがいいケース
- 直属の上司にまだ一度も話していない
- 中身が「上司の悪口」だけになっている
- 感情的になっていて、何を相談したいか整理できていない
※ハラスメントなど、直属の上司本人に関わる深刻な問題は別です。その場合は、人事や社内の相談窓口も含めて、ためらわずに相談してください。
実際にあった失敗:直属の上司と「冷戦」になったケース
逆に、飛ばし方を間違えるとどうなるか。実際にあったケースです。
良かれと思って、2つ上の上司に直接相談・直談判した。すると2つ上の上司から直属の上司へ、「お前のところの〇〇から聞いたけど、あれどうなってるんだ?」と話が降りてしまいました。
直属の上司からすれば、「自分の頭越しに上にチクられた」「マネジメント能力がないと見なされた」と感じます。面子は完全につぶれ、その後しばらくは、日常のハンコ押しや情報共有すらギクシャクする、地獄の冷戦が続きました。
ここから学んだ鉄則はひとつ。上司の上司に話を持っていくときは、直属の上司を悪者にしない・隠さない。これを守らないと、現場で確実に干されます。
角が立たない言い方(例文)
ポイントは、直属の上司を「通り越す」のではなく、「巻き込む」形にすることです。
- 上司の上司へ:「〇〇課長とも相談しながら進めているのですが、部長の視点からもアドバイスをいただけないでしょうか」
- キャリアの相談なら:「今後のことで、経験の長い△△さんにアドバイスをいただきたくて」
- 直属の上司へ(事前か事後に):「この件、△△さんにも意見を聞いてみようと思います」「△△さんからこう言われました」
直属の上司に一言入れておくだけで、「飛ばされた」が「ちゃんと共有してくれた」に変わります。手間は1分ですが、効果は大きいです。
やってはいけないこと
- 直属の上司の悪口から入る:2つ上の上司から見れば、自分の部下の悪口です。あなたの評価が下がるだけ
- いきなり直談判する:普段まったく話したことのない人から急に重い話をされても、相手は身構えます
- 直属の上司に内緒にする:会社の中の話は、だいたい本人に伝わります。隠していたほうが印象は悪くなる
一番大事なのは「普段の関係づくり」
結局のところ、いざというときに上司の上司が話を聞いてくれるかどうかは、普段の関係で決まります。
どんなに正しいことを言っても、人は感情で動きます。だからこそ、困ったときだけ相談に行くのではなく、普段から挨拶をする、雑談をする、ちょっとした報告をしておく。影響力のある人には、多少こびを売ってでも気に入られておく。かっこ悪いですが、これが組織で生き残る現実だと思っています。
まとめ
上司の上司に相談するのはアリです。ただし、直属の上司を飛ばした形にせず、「巻き込む」言い方をすること。そして、いきなり直談判するのではなく、普段から2つ上の上司と関係を作っておくこと。
それでも、どうにもならない会社もあります。立ち回りに疲れ切ったら、外の選択肢を知っておくのもひとつの手です。今すぐ辞めなくても、自分の市場価値を知る方法はあります。